Blog

はじめに。

私が一番最初にグレースホッパー会議に行ったのは、2015年だったと思います。下の子が3歳、上の子が7歳のころで、3泊家を空けるのに、義理の両親がわざわざ泊まりに来てくれたのを思い出します。会合の規模はまだ5000人程度で、その年は会社の試みとして、初めてまとまった数の50名が送り込まれた、その中の一人でした。ハードとソフトの部署は、普段とても遠いので、ずっとソフト側の人間だった私にとって、ハードやファームウェアの女性社員とゆっくり話せた事自体が新鮮で、セッションよりもそこが一番印象に残っています。そうして出会えた人たちは、それぞれ違う会社に散ってしまった後も友達です。業界は特に、女性エンジニアにとっては狭いので、本当に大切なネットワーク。

あれから通算5回グレースホッパー会議に参加しましたが、いつも鮮明に記憶に残るのは、出会う事ができたテック業界の女性たちとの時間です。それと、3万人規模の会議となった今、オーランドやヒューストンといった街中が、空港からレストランからホテルから、全部女性で埋め尽くされるあの絶景。テックを愛する女性ばっかりが座っているレストランに足を踏み入れると、なんだか普段より気持ちがゆったりするのはなぜか分かりませんが、でも毎回会議に参加する上で、とても楽しい側面です。

戻りまして、2回目のグレースホッパー会議。主催者側に、他に日本人を見つけたければどうすれば良いか、聞いてみました。すると、「日本人コミュニティーはないのよねぇ。あなた作ったら?」と唐突に言われ。(笑)すぐには気持ちが固まらなかったけれど、ちょうど同じように、問い合わせている日本人が居たわよ、との情報。その日本人として紹介されたのが、ひかりさんでした。早速スタバでお茶しながら、お話することに。その手前で、日系の会社のブースで、運よくナンパできた(!)あおいさんも巻き込んで、この3人で「じゃとりあえず立ち上げてみようか!」と言って翌年スタートしたのが、このJapanese Women in Computingです。始まりはわずか3名、でもだんだんと人が増えて、今では100名ほどになりました。アメリカでもテック業界の女性の数は伸び悩んでいますが、日本人の、しかも女性となると、多分相変わらず数は少ないのだろうと想像します。業界に女性があまりにも少ない状況は、誰にもわかってもらえない、と孤独感を伴うストレスや、離職率を高める原因にもなります。コロナのせいで横のつながりを開拓する事が特に困難な今、他にもテック業界で奮闘する女性と、ちょっと喋ったりできるプラットフォームを提供できれば、それだけでも嬉しいと思える今日この頃です。どうぞ気軽にLean Inしてみてください。